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高齢者等の快適で健やかな生活を支える「思い出し支援技術」

年齢とともに増える物忘れは、過去にしまったものだけでなく、眼鏡やリモコンなど普段使用しているものでも収納場所を忘れてしまい、もの探しに多くの時間を費やすこともしばしばです。また、薬の服用など、もの忘れが重大な支障を招くことも少なくありません。こうしたことに対応して、IRT研究機構では、ロボットと環境カメラなどが連携して、日用品の収納場所や薬の服用を教えてくれる技術を開発しました。
今回開発した技術は、(1)人が扱った日用品やロボットが片付けた日用品の収納場所を記憶し、どこにしまったかなど思い出しを支援する技術と、(2)広視野多重解像度カメラを用いてロボットが人の行動を認識し、薬を飲んだことなど思い出しを支援する技術です。

思い出し支援技術の各機能と特徴

1.人が扱った日用品やロボットが片付けた日用品を記憶し、収納場所などの思い出しを支援する技術

室内に配置されたカメラおよびロボットに搭載されたカメラによって人がしまった日用品や、ロボットが人の指示によって片付けた日用品の画像ベースで管理し、データベースを検索することによって収納場所などの思いだしを支援します。この技術は、記憶画像を適切に選択するイベント検出技術、取得画像から既知の物品を探し出す画像マッチング技術、莫大な計算を高速に処理するネットワーク分散計算技術を統合することで実現しています。探している日用品が、最後にいつ使われ、それがどこに収納されているかを教えてくれます。

2.広視野多重解像度カメラを用いてロボットが人の行動を認識し、薬を飲んだことなど思い出しを支援する技術

人のそばにいて一日の動作を観察し、薬を飲むなど毎日行う動作をすでに行なったかどうか、今日はまだ行なっていないかなどの思い出しを支援をします。この技術は、(株)富士通研究所との共同研究により開発した、小型広視野多重解像度カメラ・人の移動の追跡・特定の場所での人の手先の動きの注視・相対的な奥行き比較を行なう両眼立体視などの技術と、行動の記録とそれを提示する技術を統合することで、実現しています。

左から、人の行動を見守るロボット、日用品を片付けるホームアシスタントロボット、人に密着して日用品を記憶する屋内型パーソナルモビリティ

思い出し支援を実現する基盤IRT技術

(1) 人が扱った日用品やロボットが片付けた日用品を記憶し、収納場所などの思い出しを支援する技術の解説資料

(2) 広視野多重解像度カメラを用いてロボットが人の行動を認識し、薬を飲んだことなど思い出しを支援する技術の解説資料