目的

腕時計型連続血圧測定システム

近年の健康寿命延伸や在宅医療推進政策の下で、日常生活中の長時間血圧測定や高血圧症治療効果の評価を目的として、血液循環動態モニター用ヘルスケア・医療機器の利用が広がっている。既に24時間自由行動下血圧測定機が実用に供されているが、腕時計サイズにまでは小型化されていないこと、また所定間隔での装着部圧迫(カフ加圧)が必要であること、さらには日常生活程度の動作であっても測定不能に陥り得ることから、装着者の負担・不満が非常に大きい。そこで本研究では、非侵襲での長時間連続血圧測定を可能とする高感度センサデバイスの実現と、そのセンサデバイスを用いた測定装置を腕時計の様に簡単に装着できる装着手段の開発、並びに日常生活中の体動の影響を除去するアルゴリズムの確立を目標とした。小型・高感度・低消費電力な3軸力センサの開発、センサの耐久性評価、血圧測定精度の確保、装着位置や体動による影響のキャンセルについて研究開発を行ない、腕時計型連続血圧測定システムのプロトタイプを試作し、第3回ウェアラブルEXPO(2017年1月18~20日、於:東京ビッグサイト)に出展した。
本研究は、平成27~28年度戦略的基盤技術高度化支援事業の「腕時計型連続血圧測定システム開発」において、東京大学、中央大学、タッチエンス株式会社、シナノケンシ株式会社の共同研究で実施したものである。