目的

搭乗型モビリティロボット

公共施設のバリアフリー化としてエレベータの設置等が進んだことで、車椅子での移動の障害は減ってきている。しかしながら、エレベータはエスカレータに比べて輸送能力に限界がある。車椅子対応のエスカレータもあるが、これを利用するためには係員が操作して全ての歩行者を止める必要があり、利用には心理的障害が大きい。また、車椅子でバスや列車に乗るためには、運転手や駅員がスロープを設置して段差と隙間を乗り越える必要がある。
これらの課題を解決するために、モビリティとしての安定性を保ちながら自律的にエスカレータやノンステップバスなどの公共移動手段に乗り込み、傾斜のある歩道を走破できる搭乗型モビリティロボットを提案した。通常走行時は4輪が接地しており、左右の前後輪の独立した自由度を活かして座面を水平に保つ。段差・隙間乗り越えに際しては6輪モードに変形し、常に4輪以上を接地させながら,残りの2輪を持ち上げて移動する。機構を工夫することで5本の直動アクチュエータで変形動作を行うシステムを開発した。
本研究開発はトヨタ自動車株式会社と共同で実施している。