目的

高精度な新原理ジャイロセンサ

原理的に他軸感度を生じず、S/N(ノイズに対する信号比)が高い、高精度な新原理MEMSジャイロの研究開発を行なっている。
新原理ジャイロは、機構回転時、静止した非圧縮性液体が持つ慣性力を力センサが検知し、この力から角加速度、角速度を求める。従来の振動コリオリ型ジャイロのように、常に振動し続ける機構を持たないため、ノイズが低いことが特徴である。既製の高級MEMS振動ジャイロとともに静置実験を行った結果、新原理ジャイロの方がS/Nが高いことが確認できた。また回転実験を行った結果、新原理ジャイロで、原理的に他軸感度由来のノイズが生じないことを確認した。さらに、温度由来の低周波ノイズに対しては、温度係数ゼロの実現可能性を確認した。また力センサは、液体分子が持つ慣性力の検出が可能な力分解能を持っていることから、S/Nが高いことが特徴といえる。
本研究は、平成27~28年度の国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務「究極の省エネを実現する『完全自動化』自動車に不可欠な革新認識システムの研究開発」において進めたものである。