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3軸触覚を持つ宇宙用ロボットハンド

宇宙航空研究開発機構(JAXA)とIRT研究機構との共同研究により、宇宙用ロボットハンドへの3軸触覚センサの適用を進めた。本研究の詳細は、2012年9月にイタリアで開催される国際会議i-SAIRAS 2012で発表予定である。 近年、国際宇宙ステーション等で作業を進める際に、宇宙飛行士による遊泳作業と共に、それを代替・補助するロボットハンド・アームを用いた作業が行われている。宇宙空間では重力が存在しないことから、地上での作業以上により繊細なロボットハンド・アームの操作性が求められており、宇宙環境適用性をもった3軸触覚センサの研究・開発が求められている。 宇宙環境において触覚センサを使用することを考えた場合、真空であることによるアウトガスの発生や広範囲な温度変化、さらには宇宙放射線の影響など、地球上で使用する際には想定することのなかった様々な環境要因を考慮する必要がある。そこで本研究では、MEMS 3軸触覚センサの耐環境性の評価を目標とし、最も影響が大きいと考えられる温度依存性について測定を行なうと共に、高真空環境下における樹脂の剥離や気泡の発生の有無等についても確認を行なった。 試作・評価したMEMS 3軸触覚センサとアンプ基板をJAXAロボティクス研究グループに引き渡し、触覚情報フィードバックを用いた制御アルゴリズムの構築、並びに触覚センサを備えた宇宙用ロボットハンドによる把持実験を行なった。