目的

可変周波数アンテナ

微小液滴を高分子膜中に封止したアクチュエータに対して、これを挟み込むように平面型パッチアンテナと対応したグラウンドを形成した可変周波数アンテナを提案・開発した。
パッチアンテナは対応するグラウンドとの間に存在する誘電体の厚みによって受信可能な信号の周波数が変化する。本研究で使用した微小液滴アクチュエータは、外部から電圧を加えた際に発生する静電気力によって中央部分の厚みを変えることが可能である。パッチアンテナの電極・グラウンド間にこのアクチュエータを挟み込み、静電気力を用いて変形させることで、連続的に周波数を変化させることができる。アクチュエータの材料として高い誘電率を持つ液体を使用することで、厚み変化によって大きく周波数を変えることが可能な小型アンテナを実現した。
実現した可変周波数アンテナは、従来よりも小型であり、また連続的に周波数を変えることが可能であるという特徴から、フェイズドアレイレーダなどへの応用が期待される。
本研究は、平成24~26年度の株式会社豊田中央研究所との共同研究において進めたものである。